ピアノが誕生(たんじょう)する前(まえ)、クラヴィコードと、チェンバロと言う(いう)ものがあったそうです。クラヴィコードは、紀元(きげん)14世紀(せいき)ごろの誕生(たんじょう)であると言わ(といわ)れています。ルネッサンス期(き)に主流(しゅりゅう)であったクラヴィコードの音域(おんいき)は、4オクターブ程度(ていど)がほとんどで、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの愛用(あいよう)していたクラヴィコードは5オクターブあったそうです。クラヴィコードは、とても簡単(かんたん)な構造(こうぞう)をしており、2つの駒(こま)の上(うえ)に張ら(はら)れている弦(げん)をタンジェントと呼ばれる(よばれる)別(べつ)の駒(こま)で突き上げ(つきあげ)て音(おと)を出し(だし)ていたため、音量(おんりょう)がとても小さく(ちいさく)、現在(げんざい)のピアノで言う(いう)とピアニッシモからメゾ・ピアノ程度(ていど)の音量(おんりょう)しか出なかっ(でなかっ)たため演奏会(えんそうかい)や合奏(がっそう)には不向き(ふむき)でした。そのため、バロック期(き)にはチェンバロに主流(しゅりゅう)の座(ざ)を奪われ(うばわれ)てしまいました。先程(さきほど)も申し上げ(もうしあげ)ましたが、チェンバロはバロック期(き)に登場(とうじょう)いたしました。別名(べつめい)でハープシコードとも呼ばれる(よばれる)チェンバロは、クラヴィコードよりは音量(おんりょう)が大きかっ(おおきかっ)た反面(はんめん)で、ピアノでは欠かせない(かかせない)強弱(きょうじゃく)をつけることができないと言う(という)欠点(けってん)がありました。ちなみにチェンバロはドイツ語(どいつご)でハープシコードは英語(えいご)です。他にも(ほかにも)、フランス語(ふらんすご)ではクラヴィアサン、イタリア語(いたりあご)ではクラヴィチェンバロと呼ばれ(よばれ)ているそうです。各国(かっこく)で違う(ちがう)呼び名(よびな)がつくほどに、このチェンバロは世界(せかい)各国(かっこく)で愛用(あいよう)された楽器(がっき)なのだろうと思わ(とおもわ)れます。ただ、フランスでは、クープランやラモーなど著名(ちょめい)な過去(かこ)の作曲家(さっきょくか)たちがチェンバロ用(よう)の曲(きょく)をたくさん作っ(つくっ)たのに対(たい)し、ドイツではバッハでさえ、チェンバロ用(よう)の曲(きょく)は「イタリア組曲(くみきょく)」や「ゴールドベルグ変奏曲(へんそうきょく)」くらいしか作ら(つくら)れなかったようです。このことから、ドイツではあまり主流(しゅりゅう)にならなかったのかもしれませんね。
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